2006.04.21

内容証明

あいおい損保からの回答の内容が、すでに紹介したように評価損の支払を拒否するものだったので、今度は加害者とあいおい損保の双方に対して、支払を求める内容証明郵便を送付することにした。直接加害者に支払を求めるのは初めてである。

実際に送ったのがこの書面。評価損を認める判例があるのにもかかわらず、一律に支払を拒否するのはおかしい、という内容である。

郵便局に出向く時間がなかったので、電子内容証明サービスを利用した。ワードで作成した書類を、インターネット経由で内容証明扱いで送付することができる。料金もクレジットカード決済なので楽ちん。敷金返還訴訟の際に「初めての内容証明」と言ってドキドキしていた自分が嘘のようだ。

ただ、最初にも書いたように、これに対して回答をもらうことはなかった。つまり、加害者もあいおい損保も、「無視」を決め込んだわけである。損保が無視することは予想できたが、加害者もまるで無視とはねぇ… 損保と相談した結果だとは思うが…

あらためて言っておくが、私にとって加害者は別に敵でも何でもない。むしろ、あいおい損保が拙い対応をしたがために面倒に巻き込まれたという意味で、彼も被害者であると言ってもよい。

私自身はあいおい損保の自動車保険には一生加入しないとは思うのだが、同じ市民ドライバーとして、加害者にも、そう思ってほしいと思っている。

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2006.04.20

別冊判例タイムズ その3

2004年版の記載は、前回紹介した1997年とほぼ同じなのだが、次の一文が最後に追加されている。

初年度登録からの期間(例えば2年以内程度)、走行距離、修理の程度を考慮し、修理費を基準に、30パーセント程度を上限として評価損として認めた例がある。

評価損を認めたケースを、具体的な算出基準と合わせて、積極的に紹介したのは大きな変化だと思う。

さて、1991年版以降、このように記載内容が変化していることを、あいおい損保が知らないわけはないだろう。「とある保険会社社員」のHPには、

この別冊判例タイムズは「保険会社の実務でほとんど絶対的な基準として用いられる、いわば『査定担当者のバイブル』とも言うべき参考書です。これを持っていない査定担当者は、はっきり言ってモグリです。
とまで書かれている。

この「バイブル」が1991年版以降2回も改訂されているのにもかかわらず、あえて15年も前の1991年版の記載を引用したのは、きわめて意図的だとしか思えない。以前、「嘘」ではないにしても、ミスリーディングだと言ったのは、このことである。

これについては、今回の訴訟とは別に、あいおい損保に対し、何らかのアクションを検討したいと考えている。

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2006.04.19

別冊判例タイムズ その2

まずは1997年版の記述から引用する。

自動車が事故によって破損し、修理しても技術上の限界等から回復できない顕在的又は潜在的な欠陥が残存した場合(例えば、外観が損なわれた場合、耐用年数が低下した場合など)には、修理のみによっては損害が回復したとはいえないので、修理費のほかに、減価分を評価損として認められる場合がある(いわゆる技術上の評価損)。

また、中古車市場では、事故歴があるという理由で、いわゆる事故落ち損として売買価格が下落する場合がある(取引上の評価損)。いわゆる事故落ち損は、潜在的な欠陥が残っていることに対する市場の評価であると解して、評価損としての損害を肯定する見解も少なくない(東京高判平成8年9月26日 公刊物未掲載)。しかし、この見解に対しては、修理がされた以上客観的な価額の下落は肯定すべきでないこと、事故後も当該車両を使用し続ける場合にはこの損害はなんら現実化していないこと、買替えを予定しない場合にも買替えを認めたのと同一の利益を被害者に与えることなどを理由に、事故前から自動車を買い替える予定があり下取り価格の合意ができていたような特別な事情がある場合を除いて、事故落ち損を認めないという見解も有力である。

事故落ち損を求める場合は、事故の内容、程度及び予想される交換価値の下落を主張する必要がある。交換価値の低下については、財団法人自動車査定協会の事故減価額証明書が証拠として提出されている場合は、これをも参考にして、当該事故による事故車の損傷部位及び状態に応じて算定することになる。

1991年版と比べて記述内容が大きく変化している。評価損は認めないという断定的な結論ではなくなっていることは明らかだろう。

2004年版については、次回。

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2006.04.18

別冊判例タイムズ その1

あいおい損保からの回答書には、「参考」として「『民事交通訴訟における過失相殺の認定基準』 東京地方裁判所民事交通訴訟研究会編」から抜粋されたと思われる文章が紹介されている。

これを読むと、あいおい損保が言うように、評価損は一般的に認められていないのだと理解するしかないようにも思える。

しかし、これを額面通りに受け入れるわけにはいかない私は、一次資料を確認するために、図書館に出向いた。所蔵誌を検索してみたところ、判例タイムズ別冊「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」が、これにあたるようだ。あいおい損保の回答書には「率」が抜けているので、探すのに少しだけ手間どってしまった。出典は正しく明記してもらいたいものである。

さて、検索結果の画面には同じ題名の本が4冊が表示された。

■「別冊判例タイムズ1号」(1975年)
■「別冊判例タイムズNo.1」(1991年・全訂版)
■「別冊判例タイムズNo.15」(1997年・全訂3版)
■「別冊判例タイムズNo.16」(2004年・全訂4版)

どうやら、1975年の初回発刊以来、順次改訂されているようなのである。後で確かめると、判例タイムズ社のHPにも改訂の経緯が紹介されている。

もちろん私は、全ての号の記述をチェックしてみた。

1975年版には、評価損についての記載はなかったが、1991年版には評価損についての見解が取り上げられており、あいおい損保が引用した部分をそのまま見つけることができた。確かにそのとおり掲載されている。

続いて、1997年版および2004年版の記述を確認したところ…

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2006.04.17

保険会社の欺瞞

実は、評価損を認めるべきかどうかについて、上級審で確立した判例は存在しない。評価損を認めた判例もあれば、認めなかった判例もある。裁判所の判断自体が揺れているのである。

なので、あいおい損保が、

評価損についての裁判の判断は、修理後において、
  (1)新車購入直後の車
  (2)機能的障害が残存した場合
  (3)外観が著しく損なわれた場合
に限定して認定をしており、一般的には評価損を認められていません。
と断定するのは、明らかに間違っている。

実際に、あいおい損保が主張する、評価損が認められるべき条件に反して、評価損が認められた判例を見てみよう。

(1)新車購入直後の車
「直後」というのは、どれだけの期間を言っているのか不明だが、実際には、9年前に購入した車についても、修理費の約20%を評価損として認めるという判決が存在している。(横浜地裁平成9年12月22日判決)

(2)機能的障害が残存した場合、(3)外観が著しく損なわれた場合
これについては、以下のような判例がある。説明不要だろう。

格落ち損については完全な修理が完了し、外観や機能には一切の欠陥は残存しておらず、仮に、事故歴によって自動車の商品価値の下落が見込まれるにしても修繕費の1〜3割程度認めるのが判例の見解である。(長野地裁諏訪支部平成12年11月14日判決)
事故に遭った車両は、十分な修理がされた場合であっても、事故がなかった場合と比べて評価(時価)が低下することは避けられない。(札幌地裁平成11年1月28日判決)
修理により原状回復がなされ、機能、外観ともに事故前の状態に復したものと認められる。しかし、事故歴ないし修理歴のあることにより商品価値の下落が見込まれることは否定できず、右評価損としては修理費の3割をもって相当と考える。(横浜地裁平成7年7月31日判決)

もちろん、前述のように、評価損を認めなかった判例も存在する。それはそれで尊重されるべきだろうと思う。

ここで私が問題にしたいのは、あいおい損保が、自分に都合のよい判例に示された要件だけを抜粋して、あたかもそれが全ての裁判に適用されるべき原理原則のように書くことにより、私に対して、あきらめろ、と言っていることである。

論理も倫理もないやり口であり、強い憤りを感じる。

これを上回る、さらに汚いやり方については、次回。

※ここで紹介した判例は「交通事故 保険請求センター」を参考にさせていただいた。

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2006.04.16

保険会社の回答

評価損の賠償を求めた私の書面に対する、あいおい損保江戸川サービスセンターからの回答書を紹介しよう。
※原本をOCRで読み取って、個人情報を削除したうえで、PDFで出力しているため、原本とは多少フォーマットは異なっている。

ぜひとも回答原文を参照してもらいたいのだが、要約すると、こういうことになる。

あいおい損保としては、評価損の請求には応じるわけにはいかない。理由は以下の2つ。

(1) 裁判において評価損が認められる条件は限定されており、今回のケースはそれにあてはまらない。

(2) 東京地方裁判所も評価損を認めるのは相当でないとする基準を示している。

ところが、これらは「嘘」である。百歩譲って「嘘」は言い過ぎにしても、少なくともミスリーディング(故意に読み手の誤解を誘うような書き方)である。

次回は、(1)(2)の根拠の正当性について検証する。

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2006.04.15

保険会社への請求

事故の直後に電話で数回会話をした、あいおい損保江戸川サービスセンターの物損担当C氏には、数回のやりとりの中で大きな不信感を覚えていたので、言った言わないの議論になるのを避けるため、電話でのクローズドな請求ではなく、後になってオープンにもできるように、書面で請求し、書面での回答を求めることにした。

そこで私がまとめたのがこの書類。文章だけだと被害規模が伝わらないかと思い、修理を担当した日産サービスセンターにお願いして、修理直前の写真を数枚取り寄せて、証拠書類として添付することにした。

この段階では、あえて加害者に対しては送付せず、あいおい損保だけに送ることにして、もし、あいおい損保から好ましい回答がなかった場合は、裁判になることも見据えて、加害者にも直接内容証明郵便で請求するという段取りにした。これがあいおい損保に対する一種の牽制になるかと思ってのことだった。

というのも、突然被害者から物騒な内容証明郵便を送ってこられたら、加害者はふつう驚くだろう。加害者が一般市民ならなおさらである。そして、加害者はこの種の事故処理については保険会社が責任を持って対応することを期待しているはずなので、どうしてこういうことになったのだと、保険会社に対してクレームを入れるはずである(私ならそうする)。保険会社にしてみると、たかだか14万円の請求を拒否して面倒なことになるくらいなら、素直に支払って処理してしまおうと思う方に賭けたのである。

ところが、結果的には、私の思惑どおりにはいかなかった。驚くべき回答内容については、次回紹介する。

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2006.04.14

自動車査定協会

さて、ここからが本題になる。

評価損(格落ち)について詳しくまとめた調布市のKAZさんのHPを参考に情報収集をしていたところ、評価損について客観的な査定を行ってくれる機関があることを知った。保険会社に対して請求をする前に、請求すべき金額を確定しなければならないので、その財団法人日本自動車査定協会東京支所にメールで連絡をとってみた。

すると、評価損が発生する案件かどうか事前に確認するために修理明細書が必要だということなので、さっそく明細書をFAXで送ったところ、間違いなく対象になるとの返事をいただいた。その後、電話をかけて査定日時の調整すると、数日後の予約がとれた。東京の場合、わりと空いているようだ。

予定していた日に査定協会まで車を持ち込むと(別途料金を支払えば出張査定も可能)、資格を持つ査定士の方が30〜40分間かけて、じっくり車を見てくれた。但し、その場では査定結果はもらえないので、査定料と証明書の送料の合計1万1000円を現金で支払って終了。

その4、5日後に査定証明書が自宅に届いた。評価された評価損(減価額)は13万2000円。これに査定関連費用を加えた合計14万3000円の賠償を請求することにした。

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