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2006.04.29

訴訟費用確定処分申立書

訴訟費用について、書類のドラフトを書記官にFAXで送って確認をお願いしていたところ、計算書について親切に添削したものを送付してくれた。添削どおりに書類をまとめ、本日付の郵便で東京簡裁の事件係宛に「訴訟費用確定処分申立書」を提出した。

やはり、「催告書」と「訴訟費用確定処分正本」の送付費用についても、事前に訴訟費用に組み込んだ上で請求できるらしく、その合計である1620円を加えた合計4万0080円について、原告である私が負担した訴訟費用として確定するように求めたものである。

その手続きにかかる1620円分の切手については、いったん私が立て替える形で、書類に同封して送付した。

以下、以前紹介した私が計算した訴訟費用との相違部分。

■「2 書類作成及び提出費用」
書類のカウントの仕方が違ったかな? ということで、3500円→2500円に減額。

■「3 訴状副本等送達費用」「6 判決正本送達費用」
単に使用した郵券の合計9630円だと思っていたら、うち80円は私への事務連絡の送付に使ったぶんとして、訴訟費用には含まれないらしい。なので、合計9630円→9550円に減額。

書記官は親切なので、何でも聞いてみよう!

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2006.04.24

鍵交換費用の合意

なぜ被告が「主張」しないのか、不思議だったのが、鍵交換費用についての合意である。

提訴前に送った内容証明郵便においては「賃貸借契約締結の際に通知人と貴殿との間で明示的に合意した鍵交換費用1万0050円を差し引いた」金額を返還しろ、として、私自身が「明示的に合意」があったと言っているのである。

実際のところ、鍵交換費用の負担については、重要事項説明書に「手書き」で追記されていたので、予め印刷された定型的な文言と違って合意自体を否定するのが難しいかと思い、これについてはあきらめて、事前の請求時には返還を求めなかったのである。

そして、いざ訴状を書く際には、原状回復費用の立証責任は貸主にあるので、私からあえて妥協する必要もないとして、全額を返還するよう求める内容にした。

ところが、準備書面において、被告自身は「契約書に基づき」鍵交換費用を支払え、としか主張しなかった。

私自身は、契約書の合意自体が消費者契約法違反で無効という主張をしたのだが、被告が、私がわざわざ証拠として提出した内容証明郵便を援用して「明示的な合意があった」という主張をしなかったものだから、裁判官は契約書の文言だけを見て、「合意があったとはいえない」として被告の主張を却下してしまったのである。

私としては、消費者契約法に基づいて、この特約が有効か無効かという判断をしてもらいたかったので、これについては残念でもある。

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2006.04.23

主張が足りない

判決も確定したので、訴訟戦術についても、一部書いておこうと思う。

被告の最大の敗因は、とにかく「主張」が足りなかったことにあると思う。その一方、私自身は、準備書面において、徹底的に主張し、反論をしている。ここまで書くか、というくらいである。訴訟においては、反論しないと、認容したものとみなされるので、すべての主張に対して、私は何らかの反論を行っている。「管理職」うんぬんの主張にしても、法的にはどうでもいい論点だろうが、無視せず丁寧に反論した(笑)。きっと裁判官には鬱陶しがられたに違いないが、言わずに後悔するくらいなら、言っておいた方がいいと思ってのことである。素人ならではの開き直りと言ってもよいかもしれない。

そして、被告から、なかなか原状回復費用の具体的な金額に関する主張が出なかったことについては、私自身がイライラさせられた。恐らく被告自身が裁判のルールをわかっていなかったのだろう。私が原状回復費用明細書(甲第5号証)を提出しているので、それをもって被告がその金額について「主張」したつもりになっていたのだろうと思う。

被告は私の提出した甲第5号証を援用してでも、その金額を払えと「主張」しなければいけないのに、なかなか主張しないから、裁判が進まなかった。本当に迷惑な話である。

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2006.04.22

訴訟費用の謎

以前、このブログで、請求できる訴訟費用の項目について解説をしたのだが、あらためて計算書を作成していると、わからないことがでてきてしまった。

原告が訴訟費用についての申立てを行うと、被告に対して陳述を催告する書面が送られる。被告の陳述を受けて初めて訴訟費用が確定し、特別送達で確定書が送られることになるのだが、これらの郵便代金についても、あらかじめ訴訟費用の一部として計算に入れることができるようなのである。

が、その金額が不明だったし、きっと訴訟のときと同じように切手を予納しなければいけないはずだが、その切手の額もわからないので、書記官にFAXで問い合わせをしてみた。

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2006.04.21

祝・確定

書記官にあらためて確認すると、やはり控訴状は出ていないようで、第一審の判決は無事に確定した。予告どおり、次は訴訟費用確定手続きを進めることにする。

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2006.04.17

(たぶん)判決確定

書記官に電話をして、控訴期限と、控訴状提出の有無を確認してみたところ、控訴期限は想定していたとおり4月15日(土)。控訴状も提出されていないようだが、地裁で土日の宿直に提出されていたとしたら、まだこちらでは確認できないので…とのことだった。

まぁ、恐らくこのまま確定なのだと思う。

次は訴訟費用について請求を行うことになるので、電話をしたついでに、その手続きについても聞いてみた。実務では訴訟費用について請求をする人はなかなかいないようで、訴訟費用の計算方法について、書記官が即答できない質問をいくつかしてしまったのだが、ちゃんと調べて携帯電話に折り返しをしてくれた。やはり親切だ。

ブログのネタがそろそろ切れそうなのは残念なのだが、訴訟費用を回収するまで、もう少し続く。

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2006.04.09

控訴期限

敷金が無事に回収されたということで、当ブログのファンの多くをがっかりさせてしまったに違いないのだが(笑)、これで終わったわけではない。今後の流れについて、あらためて整理しておこう。

控訴期限は判決正本を受け取ってから14日以内である。被告がいつ受け取ったのかは明らかでないが、おそらく3月30日11時10分。「おそらく」と書いたのは、私に届いた特別送達郵便の引受番号の一つ前の番号(下2桁から11を引いた番号)で郵便ホームページから郵便追跡をしてみたら、東京高裁内郵便局から発送された郵便を、ちょうど被告を管轄する郵便局が配達完了したとの情報が出てきたのである。こんなことをしなくても、普通は書記官に聞けば教えてくれるが、日曜日だしね。

この郵便追跡のシステムにはセキュリティ的に疑問もあるが、ま、本題でないので、放っておく。

その一方、私が受け取ったのは3月31日なので、私のほうが1日遅い。以前書いたように、私も一部敗訴ということで控訴できるので、私が受け取った3月31日の翌日である4月1日から14日経過しないと、この判決は確定しないことになる。

控訴期限は4月15日(土)。17日(月)以降に書記官に連絡して確認してみることにする。このまま確定すると、その後、訴訟費用確定の申し立てを行い、訴訟費用について、被告に請求することになる。ちなみにこれも任意に支払わない場合は、強制執行することも可能である。

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2006.04.07

敷金回収完了!

結論から言うと、最終期限としていた4月5日付で、遅延損害金を含めた全額40万0997円が振り込まれていた。もし入金がなければ、本気で強制執行手続を開始しようと思っていたので、その手間が省けてよかったともいえるのだが、せっかく色々と勉強をしていたので、ちょっと残念な気もする(笑)

とはいえ、その一方で、強制執行に踏み切るというのが決してブラフでないことは容易に想像できただろうから、この期に及んで私の請求を無視するほどイカれてはいないだろうとも思っていた。

貸主は地元で幅広く不動産屋業を営んでいるのだから、地域での悪い噂は商売上大きなマイナスになる。強制執行ともなると、当然、銀行口座の差し押さえを覚悟せざるをえないが、そうなると取引銀行からの信用評価もがた落ちになる。

また、以前コメント欄で指摘があったように、銀行口座ではなく賃料債権を差し押さえることも可能である。貸主に対して賃料を払ってはいけないという裁判所命令を受けた借主は、貸主への不信感を強めるだろうし(ビラの件もあるし)、仲介業者にクレームを入れることもあるだろう。そうなると業界内での評判も気になるところ。

さらには、なかば嫌がらせ的に動産差押を実行すべく、執行官が店舗を訪れるとしたら、きっと商店街の人々の知るところになるだろう。そこで「いやぁ、しつこい借主にやられちゃいまして」と言い訳したところで、誰も本心から同情してくれるはずがない。

というわけで、私の請求に素直に応じるのは、きわめて経済合理的な行動ではあるのだが、いままでさんざん非合理的な主張を繰り広げていた貸主が、ここにきていきなり合理的な行動をとるというのには、若干の違和感が…(笑)

それはさておき… まだ判決も確定していないし、確定したら訴訟費用も支払っていただかなければならないので、これで闘争完了というわけでもないのだが、山を越えたことは間違いない。これまで応援をしていただいた皆さんに、この場を借りてお礼を申し上げたい。

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2006.04.06

新ブログ

敷金とは全く関係ないのだが、新しいブログを始めた。

ビジネスマンの評価損返還奮闘記

昨年9月に車を運転中、追突されてしまったのだが、車の修理費用以外に、新車で購入してからまだ10ヶ月ほどの車が一転、「事故車」になってしまったことによる「評価損」部分について、加害者側の損保に請求したところ、支払を拒否されてしまった。仕方がないので加害者相手に東京簡裁に少額訴訟を提起したら、弁護士がついて、地方裁判所に移送されそうになっているところなのである。

ネタこそ違うが、コンセプトはこのブログと同じなので、ぜひ楽しんでいただければと思う。実は私も結構楽しい。なんだかトラブル続きなのだが、こうして問題解決能力(経験値)が上昇していくのは、それほど悪い気分ではないのである。

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貸主への請求

実は、私が判決正文を受け取った翌日の4月1日(土)に、判決で認められた返還額と遅延損害金について支払いを求める通知書を貸主に送付していた。

もちろん、先日のエントリでも書いたように、あらためて請求することもなく突然強制執行することは可能だし、それはそれで社会勉強にもブログのネタにもなるのだが、私の手間だけを考えると、自主的に支払ってもらった方がいいに決まっている。

あのような判決が出た以上は、本来は私がわざわざアクションを起こすのではなく、貸主の側から「支払わせていただきたいのですが、振込口座を教えてください」と言ってくるのが、商道徳から言っても「日本の伝統的美徳」(by 貸主)から言っても筋だとも思うが、まぁそのくらいはよしとしよう。遅延損害金の計算を間違うかもしれないしね(笑)

なので、支払日ごとに異なる遅延損害金の金額を計算した表まで作成して添付したうえで、FAXで送付。別に後になって請求の事実を立証する必要はないので、内容証明郵便でも配達記録郵便である必要はない。ふつう不動産屋がFAXを見ないわけがないもんね。

その通知書で4月5日(水)15時を期限に支払いを求めていたのだが…

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2006.04.05

【判決解説その5】遅延損害金

判決では遅延損害金(金利)も合わせて返還することが命じられている。以前、その金額について読者からコメントがあったが、あらためて整理してみよう。

■敷金元本 29万5787円
→約定金利 日歩5銭 平成17年4月22日〜 

■過払賃料元本 5万1097円
→法定金利 年5分 平成17年3月23日〜

日歩5銭というのは100円につき毎日5銭ということなので、年率に換算すると、

0.05円 ÷ 100円 × 365日 = 18.25%

ということになる。

この低金利時代に何て効率の良い運用方法!

この金利分がいくらになっているのか、エクセルで簡単なワークシートをつくって計算してみたところ、敷金と過払賃料にかかるそれぞれの金利を合わせて、本日現在で5万4113円になり、私が原状回復費用として負担すべきとされた3万8213円を既に大きく上回っている。

もちろん、これに加えて、判決確定後には訴訟費用の被告負担分として3万円程度を請求することになるだろう。

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2006.04.04

【判決解説その4】鍵交換費用

鍵交換費用については、請求を認めないのは当然ながら、そのロジックが予想外だった。

賃貸借契約書には鍵の交換について特別な定めはないが,重要事項説明書(甲1の3)に「退去時に鍵交換費用として1万円(税別)かかります」と記載されているが,これは賃借人が負担を承諾したものとは解せられない。むしろ,鍵の交換は,当該物件についての安全管理上の問題であり,賃貸人の負担とすると解するのが相当である。

つまり、そもそも「合意」があったとはいえない、という判断である。

私は、たとえ合意があったとしても消費者契約法違反であると主張していたのだが(原告準備書面3のP4参照)、その前の段階で門前払いをされてしまった印象。

なるほど、そういう逃げ方もあるんだなぁ、と妙に感心してしまった。

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2006.04.03

【判決解説その3】クリーニング

クリーニング費用については、まったく予想どおりの結論だった。

本件賃貸借契約書(甲1の1)によれば,「本契約終了・明渡しの際の室内清掃費」は賃借人の負担とする旨定められている[第11条2,(3)]。ところで,建物は経年劣化によって減価していくことは当然であり,その期間賃貸人は賃料収入を得ているから賃貸借終了後に建物を賃貸借契約開始時の状態に復帰させることまで要求することは当事者の公平を失するといわざるを得ない。したがって,この特約は,賃借人の故意,過失に基づく毀損や通常でない使用方法による劣化等についてのみその回復を義務づけたものと解するのが相当である。

たとえクリーニング費用を借主負担とする特約があったとしても限定的な解釈が必要であるという、これまでの各種判例の流れに沿った判断が示されている。つまり、貸主が何度も繰り返し言っていたような「大の大人が(上場企業の管理職が)ハンコを押したのだからそれに従え」という主張は認められないということである。

玄関・洗面所・浴室・居室・洋室・トイレ・廊下等の清掃は通常の使用方法を超えた毀損,劣化があったとは認められず,専門業者の清掃クリーニングを行うまでの必要性はないといえる。

私の提出した退出時の写真(甲第10号証)が効いたのだろう。それはもう一生懸命掃除したのだから!

クリーニングを借主が実施することは「日本の伝統的美徳に基づく慣習的な事」と主張していた貸主はどう思うのだろう。

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2006.04.02

【判決解説その2】フローリング

今回はフローリングの補修費用について。

原告の入居時にはフローリングは補修のうえで引き渡されており,…フローリング補修については,各部屋には全体に傷や凹みが多数ある中で洋室のシミ跡や居間のペンキ跡,台所の家具の移動によると思われる傷や不注意による落下物によると思われる凹みなど,いずれも通常の使用方法によらない損傷であると認められる。

う〜ん、これはちょっと待ってほしい。LDK部分については確かに全面張り替えされていたらしいが、洋室部分については張り替えはされていないことを、被告自身が法廷で証言している。これをまとめて「入居時にはフローリングは補修のうえで引き渡されており」としてしまうのは、いささか乱暴な事実認定のような気がする。

ところが、以下のように続くのである。

そして,その修理費用は5万5636円(消費税込み)のうち5割の2万7818円は原告の負担とするのが相当である。

出た〜! 必殺技「どんぶり勘定」。全く根拠を明らかにしないままに、5割を「原告の負担とするのが相当である」と断定。きっと1つ1つの傷について検討するのが面倒だったに違いない。

この前段の文章も理解しづらいのだが、「全体に傷や凹みが多数ある」うち、その半数程度は「通常の使用方法によらない損傷」である一方、残りの半数は通常の使用方法によるものだと認定できる、ということなのだろうか。

こういうアクロバティックな結論が用意されていたからこそ、LDKと洋室を区別する必要はなかったんだろう。

それにしても、法律家が使う「相当である」という言い回しは、理系には我慢できない代物だと思う。私も大学時代、法学部で法律を勉強しながらも、かなりの違和感を覚えたものである。

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2006.04.01

【判決解説その1】結露

数回に分けて、判決の内容を詳しく紹介していく。まずは貸主がずいぶんこだわっていた結露について。

玄関カビの発生は,結露によるものと推認されるが結露の要因は主として建物の構造的なものであり,賃借人の使用管理程度が要因となるのは副次的のものといえよう。

セオリーどおり、結露の主要因は建物の構造にあるとしたうえで、続いて、借主の使用管理程度を検討している。

そこでカビの発生について検討するに,…結露が発生した場合は賃借人が賃貸人に連絡するように説明されているのもかかわず通知を怠たり,拭き取るなどの手入れを怠り…カビによる損害を拡大させてしまったものと推認できる。…原告が入居する前は…カビの発生はなかったことからも原告には善管注意義務違反があったと考えられ,クロスの張替について相当の範囲で負担すべきであるといえる。

なるほど。

そして,その範囲は玄関部分の壁部分に限られるから1万0395円(消費税込み)は原告の負担とするのが相当である。

要は、

■玄関壁クロス(900円×11平米+消費税)の張替費用については100%が借主の負担である。
■ハガシ及び下地補修、残材処理、諸経費等の請求は認めない。

ということである。その他の部分については、以下のように切って捨てている。

そのほかについては,本件物件は原告によって社会通念上通常の方法により使用され自然ないし通例的に生ずる損耗以外に悪化していることを認めるに足りる証拠はない。

つまりは、

■天井や他の部屋やクローゼットのクロス張替費用の請求は認めない。
■建具の塗装費用の請求は認めない。

ということになる。

それはよいにしても、私にしてみたら、玄関部分については、

1. 実際カビがあったと被告が主張しているクロスの実面積は11平米ではなく7平米であり、水増し請求である。
2. 賃料で減価償却された部分を控除した残存価値を上限にすべきである。
3. 構造に起因する部分もあるのだから、貸主側にも一定の責任の割合がある。

と、主張したいところであるが、認められたところで、どうせ数千円の減額にしかならないので、わざわざ私から控訴するほどのことはないとは思っている。

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