« 【判決解説その2】フローリング | トップページ | 【判決解説その4】鍵交換費用 »

2006.04.03

【判決解説その3】クリーニング

クリーニング費用については、まったく予想どおりの結論だった。

本件賃貸借契約書(甲1の1)によれば,「本契約終了・明渡しの際の室内清掃費」は賃借人の負担とする旨定められている[第11条2,(3)]。ところで,建物は経年劣化によって減価していくことは当然であり,その期間賃貸人は賃料収入を得ているから賃貸借終了後に建物を賃貸借契約開始時の状態に復帰させることまで要求することは当事者の公平を失するといわざるを得ない。したがって,この特約は,賃借人の故意,過失に基づく毀損や通常でない使用方法による劣化等についてのみその回復を義務づけたものと解するのが相当である。

たとえクリーニング費用を借主負担とする特約があったとしても限定的な解釈が必要であるという、これまでの各種判例の流れに沿った判断が示されている。つまり、貸主が何度も繰り返し言っていたような「大の大人が(上場企業の管理職が)ハンコを押したのだからそれに従え」という主張は認められないということである。

玄関・洗面所・浴室・居室・洋室・トイレ・廊下等の清掃は通常の使用方法を超えた毀損,劣化があったとは認められず,専門業者の清掃クリーニングを行うまでの必要性はないといえる。

私の提出した退出時の写真(甲第10号証)が効いたのだろう。それはもう一生懸命掃除したのだから!

クリーニングを借主が実施することは「日本の伝統的美徳に基づく慣習的な事」と主張していた貸主はどう思うのだろう。

|

« 【判決解説その2】フローリング | トップページ | 【判決解説その4】鍵交換費用 »

コメント

いろいろ参考にさせてもらいながら現在争っている最中です。(^^;
以前に友人のトラブルで不動産会社の社長と話した事があるのですが、やはり訳の解らない「大人の常識」押しつけてきました。法律とガイドラインをどの様に捉えられているのですか?という問いに「君も大学に通って勉強しているなら、常識をもっと勉強しなさい!人として使った後をきれいにするのは常識だろ!」だそうです、答えになってません。。。

投稿: oak | 2006.04.03 23:54

>oakさん
oakさんも苦労されているようで(笑)
理論武装が通じない相手というのが一番疲れますよね…
あきらめずに(or あきれずに)頑張ってください!

投稿: mits | 2006.04.04 21:08

法を無視して、常識論や道徳論を持ち出して、金を払えという大家が多いにゃん。家賃をとって貸した部屋をきれいに掃除して返した人に、さらに専門業者に清掃を依頼してその費用を押しつけることが、法に合致しないことは勿論、常識的にも道徳的にも合致しないことを強く主張したいにゃんねえ。なんで、そんなみっともないことが出来るのか不思議でしょうがないにゃん。きっと自分の行動に対する美意識がないだにゃん。

投稿: にゃんこ | 2006.04.06 16:33

>にゃんこさん
「自分の行動に対する美意識がない」って、いい表現ですね!厚顔無恥(無知)とはこのことだと言いたいです!

投稿: mits | 2006.04.06 21:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/115959/9374153

この記事へのトラックバック一覧です: 【判決解説その3】クリーニング:

» 長期間にわたる高い賃料収入を前提に [東急不動産東急リバブル不買宣言]
「影響が最も深刻なのは、長期間にわたる高い賃料収入を前提に、土地所有者が建築した小規模ビルであり、建築費にあてた借入金の返済ができず、それまでに築いた資産も会社もすべて手放した上、それでは生活していけない悲惨な状況を生んでいる。 高い賃料収入を計算して建築と融... [続きを読む]

受信: 2006.04.08 17:42

« 【判決解説その2】フローリング | トップページ | 【判決解説その4】鍵交換費用 »