2005.07.11

行政指導の要請書

弁護士の友人と相談した結果、許認可権を持つ監督官庁である東京都都市整備局不動産業課に対して、不動産業者(=貸主)に「行政指導」を要請する内容証明を送ることになった。この内容証明も、提訴時に証拠として利用する予定。いろんな手があるもんですなぁ。

行政指導の要請書

東京都知事 御中
東京都都市整備局不動産業課 御中

弁護士 ○○○

当職は、下記依頼者から、敷金返還請求につき、委任を受け、下記不動産業者との返還交渉に当たっています。

依頼者が、平成17年6月23日、下記不動産業者に対し、敷金返還を求めたところ、下記業者は、賃貸前の原状に回復させるための工事(原状回復工事)費用による精算という名目に基づき、敷金の返還を全て拒絶した上、逆に、申請人に対し、同費用名目に基づき敷金を超える金員をさらに要求してきました。

このような賃貸物件の通常使用による損耗の回復費用負担を借主である申請人に転嫁させるという当該業者の対応は、消費者契約法第10条に違反する行為であり(大阪高等裁判所平成16年12月17日判決参照)、また国土交通省の原状回復に関するガイドライン及び御庁の定める賃貸住宅紛争防止条例の趣旨にも反することは明らかです。

したがいまして、当該業者に対し、業務改善命令等適切な行政指導をお願い申し上げます。

なお、行政指導の内容及びその結果につき、当職までお知らせ下さいますよう併せてお願い申し上げます。

1 依頼者
○○○○(私の名前)

2 不動産業者
商号 ××××
本店 東京都××
登録免許番号 東京都知事免許(3)第×号
代表者 ××××

以上

早く訴状の準備を進めないと…

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2005.06.30

貸主の訪問

本日、貸主が私の友人の事務所に「相談」に訪れた。先方の主張は以下のとおりだったらしい。

(1)通常使用による損耗分ではない。
 特に(←特にって何? 他は?)クロスの張替えは、結露によるもの。カビなどで、クロスの傷みが酷かった。これは、換気を怠っていた借主の注意義務違反である。借主も換気を怠っていた事実を認めている。

(2)原状回復等すべて負担するという契約内容について、何十分もかけて、事前に説明したうえで、借主に実印もらっている。原状回復費用等請求のすべてについて承諾している。払ってもらうのが当然だ。(←貸主はガイドラインや東京ルールを理解していたはずじゃなかったの?)

ある意味予想通り…なのだが、これを言うために事務所を訪れたのであれば、その行動自体、まったく理解に苦しむ。借主側の弁護士がこの主張を受け入れるわけないのにね。

友人から、都に対して、当該業者への行政指導を求める書類を提出してはどうか、とのアドバイスをもらう。早速準備することにする。

いよいよ、本番ですね。

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2005.06.25

貸主からの連絡

内容証明郵便が届いたらしく、昨日、貸主から友人の弁護士のところに電話がかかってきたそうだ。

「とにかく、いちど会って相談したい」、とのことらしい。

友人いわく、事実の認定や法的な論点については、裁判所に判断してもらうしかないので、いくら支払うか、ということでなければ、来てもらっても意味ないですよ、という趣旨の話はしたらしいが、「それでもやはり相談したい」とのこと。

というわけで、来週以降でアポの調整中。

それにしても、「相談したい」って… あんたは依頼人とちゃうやろー!!!(苦笑)

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2005.06.22

さすがプロの仕事!

弁護士の友人から、貸主に送る内容証明の添削結果が戻ってきた。

通  知  書
平成17年6月×日

受取人住所氏名
通知人 ○○○○

○○法律事務所
通知人代理人弁護士  ○○○○

当職は、上記通知人の依頼により下記のとおり通知致します。

             記

1 通知人は、平成15年2月8日、貴殿との間で、東京都区町所在の○○(マンション名)××号室(以下、「本件物件」といいます。)を目的物とする建物賃貸借契約を締結し、同年2月20日より、居住していました。

上記賃貸借契約は、平成17年3月22日に合意解約により終了し、通知人は、平成17年3月21日、貴殿に対し、既に本件建物の明渡しを完了しております。

2 通知人は、上記賃貸借契約締結の際、同契約に基づき、貴殿に対し、敷金33万4000円を差し入れました。したがって、貴殿には、通知人に対する敷金返還義務が発生しています。

また、通知人は、同年2月25日、貴殿に対し、翌3月分の賃料及び管理費17万6000円を既に支払っています。

したがって、貴殿は、通知人に対し、上記賃貸借解約後の3月23日以降、同月31日までの日割り家賃4万8484円及び日割り管理費2613円を直ちに返還する義務があります。

2 よって、本書をもって、貴殿に対し、本書到達後1週間以内に、上記未返還の敷金及び過払分家賃及び過払分管理費の合計金額38万5097円から、上記賃貸借契約締結の際に通知人と貴殿との間で明示的に合意した鍵交換費用1万0050円を差し引いた、37万5047円に、上記賃貸契約の契約書第5条第4項に基づく明渡し後1ヶ月を経過した翌日以降支払当日までの日歩5銭の遅延損害金を加えた金額を、下記指定口座に振込入金されるよう請求します。

         記
金融機関名 ○○銀行 ○○支店
種類    普通預金
口座番号   ×××××××
名義    ○○法律事務所 弁護士 ○○○○

3 なお、貴殿は、平成17年6月2日、通知人に対し、「原状回復工事費用」の名目で40万4591円の支払請求をされていますが、前述の鍵交換費用を除き、これらはいずれも通常使用による損耗の回復費用であり、信義則に反して賃借人の利益を一方的に害する消費者契約法第10条に違反する行為に当り(大阪高等裁判所平成16年12月17日判決参照)、法的に賃借人に対し請求できるものではありません。

したがって、本書をもって、上記「原状回復工事費用」の支払は拒否することを通知いたします。

なお、上記期間内に上記金員全額のお支払がない場合は、貴殿の法的責任を追及すべく、直ちに法的措置に入りますことを念のため申し添えます。

以上

おぉ! 何と弁護士名での書類に変わっている!

「これでよければ、うちから出しとくよ」とのこと。

弁護士の名前が入ると、やはり何だか引き締まった感じがする。

文中で記載のある「大阪高裁平成16年12月17日」の判決については、次回。

同じく敷金返還交渉を題材にしたブログを発見。こちらは法的措置に至らずに既に解決しているが、【家主さま・・・敷金返してね。】は沖縄で現在進行形で、少額訴訟から通常訴訟に進んだとのこと。どちらも非常に参考になる。

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2005.06.21

初めての内容証明

どう考えても訴訟は避けられないように思うが、提訴する前に、敷金返還を請求する文書を、内容証明郵便で貸主に送って、「やるべきことはやった」という証拠を残しておいたほうがいいらしい。これに対して返事があれば、先方の主張内容もわかるので、一石二鳥とのこと。

とはいえ、内容証明なんて物騒なものを送るのは、幸運なことに人生初の経験なので、まずは情報収集。

ネットで「内容証明」を検索すると、行政書士事務所を中心に、多数ヒット。どのサイトでも詳しい書き方が懇切丁寧に紹介されている。ここまで親切だと、行政書士に依頼する人もいなくなるのでは? という素朴な疑問も生まれるほどだ。

それらによると、内容証明はフォーマットがきっちり決まっているが、20字×26行であれば、縦書きでも横書きでもいいとのこと。であれば、ワープロソフトで設定すれば簡単に打てそうなものだが、「自動処理で文末に句読点がはみ出す恐れがあるので、19字×26行で設定したほうがいい」とまで書いてある。何て親切なんだ!

肝心の記載内容については、当ブログの「お役立ち本」でも紹介している、京都弁護士会の「Q&A敷金・保証金トラブル」に紹介されている雛形を参考にして、以下のように書いてみた。(長文ですみません)

敷金等返還請求書

冠省 私は、貴殿から○○(マンション名)××号室(以下、「本件物件」といいます。)を平成15年2月から賃借しておりましたが、平成17年3月21日に既に明け渡しを完了しております。

私は、本件物件賃借時、貴殿に対し、敷金334000円を差し入れています。

また、平成17年3月22日に賃貸借契約を解約しましたが、同月の家賃を同年2月に既に31日分支払っているため、同年3月23日以降31日までの日割り家賃48484円および日割り管理費2613円を返還いただく必要があります。

よって、本書をもって、貴殿に対し、本書到達後5日以内に、右未払の敷金および過払家賃および過払管理費を合計した金額から、賃貸借契約締結時に明示的に合意した鍵交換費用10050円を差し引いた、375047円に、賃貸契約書第5条4項に基づき、明け渡し後1ヶ月を経過した翌日以降支払当日までの日歩5銭の遅延損害金を加えた金額を、下記口座に振込入金されるよう請求します。

○○銀行○○支店、普通預金、(口座番号)、○○○○名義

貴殿は、私に対し、「原状回復工事費用」の名目で404591円の支払請求をされていますが、前述の鍵交換費用を除き、これらはいずれも通常使用による損耗の回復費用であり、法的に賃借人に請求できるものではありませんので、本書をもって、上記「原状回復工事費用」の支払は拒否することをご通知します。

なお、上記期間内に請求金額のお支払がない時は法的措置をとることを申し添えます。草々

平成17年6月×日

差出人住所氏名
受取人住所氏名

ほぼ雛形のままなのだが、過払家賃の部分と、鍵交換費用の部分を、自分の事情に合わせてアレンジしたので、素人の作文では若干不安になり、友人の弁護士にメールで送って、ちょっと見てもらうことにした。

添削結果は、また明日以降。

さて、当ブログ開設にあたり、あらためていろいろと検索をしてみたところ、「敷金問題研究会」代表の増田尚弁護士(大阪弁護士会)のブログを発見。勝訴した例の紹介もあり、非常に勇気づけられる。

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